監修者
須田 美貴
- 特定社会保険労務士
年金アドバイザー
1974年京都府生まれ。団塊ジュニア、第2次ベビーブーム、就職氷河期世代と呼ばれる世代。両親は団塊世代で、父は有名なCMの名言である「24時間たたかえますか」という働き方をしてきた人。東京理科大学基礎工学部を卒業後、職を転々とし、30代で社会保険労務士の資格を取得し開業。労働者側社労士として、解雇、未払賃金、ハラスメントなどの職場のトラブル解決を専門にしているほか、年金相談、人生相談、転職相談、独立開業相談、恋愛相談も受けている。労働相談須田黒田事務所のホームページはこちら
“労働者側の社労士”としての活動
社会保険労務士とは、一言でいうと「労働と年金の専門家」です。労働に関する業務としては、入社・退社の手続きや、産休の手続き、病気で休職する際の手続きを行ったり、会社が必ず作成しなければならない労働者名簿や就業規則といった書類の作成を行ったりしています。
終活世代の方からは、「今の会社に継続雇用してもらうべきか、それとも転職をしたほうがよいのか」「退職後も週5で働く方法はないのか」など、今後の進退についてご相談いただくケースが多いです。終活を意識し始める65歳前後というと、ちょうど会社を退職する年齢。ですので、今後の働き方や収入についての相談をよくされます。
今の終活世代の方は、新卒で入社してから定年退職まで、ずっと同じ1つの会社で社員として働いてきた方が多いです。
また、「あなたは24時間たたかえますか?」という、かの有名なCMが放映されていた当時、実際にそのような働き方をしていた方たちなので、長時間労働や有休未消化があたりまえ。そのため、退職後は会社に毎日通わなくてよい、という事実をなかなか受け入れられない人の姿がよく見受けられます。突然会社から放り出されたような気持ちになって、どうしたらよいのかわからなくなってしまうのかもしれません。
また、非正規で働いたこともない方が多いので、定年退職後の継続雇用では週3勤務でよいといい渡されると、「会社に見捨てられた」と感じる方が多いようです。
そのため、収入が減ってしまうことよりも、自分の所属できる場所がないなど、内面的な悩みを抱える方が多いですね。
「継続雇用でも週3勤務ではなく、これまでどおり週5で働きたい」と相談されることもありますが、その場合はひとつの職場でフルタイム勤務がよいか、複数を掛け持ちする働き方がよいかを、メリット・デメリットを伝えながら一緒に考えます。また、空いた時間で好きなことをしたり、新しい趣味を見つけててみては、と労働以外に目を向けられるようにお話します。
「定年退職後、どのように暮らせばよいのかわからない」という相談は男性からいただくことが多いのですが、女性の場合、「これまで夫が会社に勤務していた分、一緒に過ごす時間が少なくてうまくやれていたけど、退職した夫との時間が増えたらどうやって過ごして行けばよいのか」とため息をもらす方が多い印象です(笑)。
また、女性は「定年退職後は個人事業主として働きたい」など、会社から離れることを前向きに捉える方が多い傾向にあります。お小遣い程度でいいから稼ぎたいという方も多く、「退職金を利用して自分で教室を開きたい」「独立して開業したい」「NPO法人を立ち上げたいけどどうしたらよいのか」、といった前向きな相談をされますね。
私も社会保険労務士として独立して事務所を構えているので、そういった相談に対してもアドバイスがしています。
家計の状況に踏み込んで問題解決へと導く
年金の面では、年金の繰下げ・繰上げ受給の検討についてよく相談を受けます。年金を受け取り始めるタイミングを決めるにあたっては、まず、今後どのような収入や支出があるのかを把握することが大切です。
働くのか、働かないのか、積み立ててきた個人年金はいくらあるのか、年間の生活費にはいくらかかるのか、などの収支を知ってから年金受給の方向性を決めるとよいですね。
このように、年金について考えることは、その人個人の所得まで考える必要があるので、年金や労働の相談から、家計の事情にも踏み込んで解決することもあります。
また、社会保険労務士は、年金に関する手続きを代行できます。年金は受給に際して手続きが煩雑なので、受給申請に必要な書類を集めたり、書類を提出するまでお手伝いしています。さらに、雇用保険と年金の関係や、給付金の受給条件も複雑なので、損しないように、退職するときには一度社会保険労務士に相談して、自分に合った年金や給付金のもらい方を検討してほしいです。
損せず楽しく生きることで人生が変わる
社会保険労務士は、出産の手続きから亡くなったときの遺族年金の手続きまで、人生の最初から最期までかかわる職業です。そのため、これまでいろんな人を見てきましたが、そのなかでもとりわけ楽しそうに生きている人って、友達が多かったり、多くのコミュニティに参加している人たちなんです。
ただ、こうして楽しむためには、やはりお金が必要になります。
今は60歳以降でも雇用があるので、ずっと同じ会社で働いてきた人にも、専業主婦だった人にも、その人に合った働き方のご提案ができると思っています。また、働いてばかりでなく、せっかく定年まで勤め上げたのですから、今後は勤務日数やプライベートのバランスを見直して、仕事以外にも目を向けて生きてほしいと伝えたいですね。
私は「損せず楽しく生きていく」ということをテーマに生きている社会保険労務士です。ですので、労働問題や年金の相談のほかに、人生相談も受け付けています。働くだけでなく、おでかけスポットに足を伸ばしてみたり、地域のイベントに参加してみたりと、これからの人生を楽しく過ごせるようなアドバイスをすることもあります。労働問題や年金の相談はもちろんですが、今後の人生にかかわる相談も大歓迎です。
- 労動相談須田黒田事務所
- 東京都葛飾区柴又
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