抗酸化作用もある!? 知られざるメープルシロップの魅力
スイーツにかけるだけではもったいない!
取材・文:花塚水結
メープルシロップというと、スイーツにかけて楽しむ甘味料というイメージが強いのではないでしょうか。しかし、メープルシロップは砂糖やみりんの代わりに調味料として料理にも使えるほか、さまざまな材料に少し加えるなど楽しみ方がたくさんあります。
そこで、メープルシロップ専門店ギャニオン代表のギャニオン・マークさんと、そこで働く柏尾奏恵さんにメープルシロップの魅力を伺いました。
メープルは限られた時期にしか収穫できない食材
花塚:今月、ZIELでは「冬に感じたい、甘い日々」という特集を組んでいまして。特集を企画した際、「甘いもの」を思い浮かべたときに、まっさきに出てきたのがメープルシロップでした。
メープルシロップと一口に言っても、いろいろな種類があるんですよね。
ギャニオン:はい。ゴールデン、アンバー、ダーク、ベリーダークの4種類があります。そのうち主流なのがゴールデン、アンバー、ダークの3種類です。
花塚:4種類もあるなんて、驚きですね。それぞれ、どのような特徴があるのか教えてください。
ギャニオン:はい。種類の違いについては、1本の木から樹液を採取した時期によって異なります。
メープルシロップのもととなる樹液はメープルウォーターと呼ばれ、サトウカエデなどの樹木から採取できます。メープルウォーターの収穫時期は、3月中旬~4月いっぱいまでの限られた期間です。
まず、ゴールデンは、3月中旬くらいから3日間のあいだにしか採れない種類になります。甘みが強いのが特徴です。アイスクリームやヨーグルトなどのトッピングにしてそのままの味を楽しむのが最適でしょう。
花塚:アンバーはどんな種類でしょうか?
ギャニオン:アンバーは、ゴールデンを採取したあと、3月下旬~4月頭くらいまでの2週間に採れる種類です。ゴールデンに比べると色と味が濃いのが特徴です。こちらは、料理や飲み物に入れて楽しむのがおすすめです。
花塚:なるほど。ダークはどんな種類ですか?
ギャニオン:4月いっぱいに採れる種類です。アンバーよりもさらに色と味が濃く、メープルシロップ特有の風味が一段と強いのが特徴です。こちらも料理や飲み物に入れて楽しむのがおすすめです。
花塚:ベリーダークはどんな種類ですか?
ギャニオン:メープルウォーターの収穫時期の終盤に採れる種類です。ダークよりもさらに色と味が濃く、苦みや渋みを含む味わいになります。
4月に入ってあたたかくなると、メープルシロップに雑味が増えてしまうため、絶妙なタイミングにしか採れないんです。
花塚:本当に限られた時期にしか採れないものなのですね。
柏尾:加えて、メープルを収穫するには1日の寒暖差がないといけません。寒暖差があればあるほど、樹液が幹のなかを巡って抽出しやすくなります。夜は氷点下10℃、日中は10℃くらいだとよく採れます。
ギャニオン:あたたかくなって雪がとけたり、雨が降ったりしても採れないです。
花塚:とても繊細な食材……!
古代(先住民族)では薬として生産されていたほど栄養価の高いメープル
ギャニオン:メープルシロップにはたくさんの栄養素が入っていて、さまざまな効能が期待できる、ご高齢の方にもおすすめな食材なんです。
花塚:どんな効能があるのでしょうか?
ギャニオン:同じ甘味料である砂糖に比べて低カロリーで、カルシウムをはじめとするミネラルやタンパク質などバランスよく栄養素が含まれているため、食後の血糖値や血圧の上昇が緩やかになります。
上白糖、はちみつ、メープルシロップ100gあたりに含まれている栄養素
柏尾:実際に、血糖値や血圧の数値が気になるという常連さんで、普段の料理に使う砂糖やみりんの代わりにメープルシロップを使っているという話も聞きます。また、ポリフェノールも含まれているので、抗酸化作用も期待されているんです。
花塚:身体にとてもいいんですね!
ギャニオン:はい。メープルシロップはカナダの先住民であるインディアン時代から生産されていたのですが、栄養価が高いため、当時は薬や保存食として生産されたんです。
花塚:栄養価が高い貴重な食材だったのですね。
メープルシロップは、スイーツにかけて楽しむイメージが強いですが、料理にも使えるのですか?
ギャニオン:はい! 卵焼き、生姜焼き、きんぴらごぼう……など、和食にもとても合うんです。そのため、私の家には砂糖がありません。メープルシロップでつくるすき焼き、とてもおいしいですよ!
柏尾:砂糖よりも黒糖に近いイメージを持っていただけると、使いやすいのかなぁと思います。
花塚:なるほど。風味がある点などは黒糖に近いのかもしれませんね。
砂糖やみりんの代わりにメープルシロップを使って料理するときは、同じ量で大丈夫ですか?
ギャニオン:少し減らすと丁度いいと思いますよ。
花塚:なるほど。ほかにメープルシロップの簡単な使い方はありますか?
ギャニオン:メープルシロップの簡単な楽しみ方はたくさんあるので、いくつか紹介します!
ホットメープル
お湯100mlに対してメープルシロップ15mlくらいを入れて混ぜたもの。メープルシロップが好きだったらたっぷり入れて楽しんでもいいですが、メープルシロップの種類はアンバーかダークがおすすめです。肺とのどにいいと言われています。
醤油+メープルシロップ
メープルシロップに醤油を混ぜたもの。甘じょっぱい照り焼きソースのような味わいになるので、焼いたお肉やお魚などにかけて食べるととてもおいしいです。割合は1:1くらいでつくったあと、好みによって調節しても大丈夫です。メープルシロップの種類はアンバーかダークがおすすめ。
納豆+メープルシロップ
納豆にたれを入れて混ぜたあと、スプーン1杯くらいのメープルシロップを入れます。まろやかで優しい甘さになります。
梅干し+メープルシロップ
梅干しにメープルシロップをかけます。酸味が和らいで優しい甘さが加わわります。酸味の強い梅干しが苦手な人にもおすすめです。
花塚:納豆にも合うのは、本当でしょうか……?
ギャニオン:本当ですよ(笑)。はじめは、奥さんのおじいちゃんが納豆に砂糖を入れているのを見て、とても驚いたんですけどね。おじいちゃんは、納豆に醤油、マスタード、スプーン1杯の砂糖を入れていたのですが、私は甘い砂糖が苦手だったので、代わりにメープルシロップを入れてみたらとてもおいしかったんです。
花塚:先駆者がいたのですね!
シロップだけじゃない! メープルを使った食材
花塚:メープルシロップ以外にも、メープルを使った食材がたくさんあるそうですが、比較的使いやすいものはありますか?
ギャニオン:メープルスプレッドがいいと思います。
元々、メープルウォーターを煮詰めてメープルシロップがつくられるのですが、それをさらに煮詰めて攪拌すると空気を含み、バタークリームのようになるんです。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、メープルシロップの産地であるカナダのケベックで古くから伝わる食材です。パンに塗って食べるととてもおいしいですよ。
花塚:想像しただけでおいしそう……!
ギャニオン:それから、メープルシュガーもいいと思います。
メープルスプレッドをさらに煮詰めて水分を飛ばすと、かけらが残ります。サラダにかけて食べるとおいしいですよ。
花塚:食感も変化しそうですね。
ギャニオン:はい。もっと煮詰めると粉末状のメープルパウダーになります。それをコーヒーや紅茶などに入れて楽しむのも、手軽にできるのでおすすめです。
花塚:シロップだけではなく、形状によってまた違った楽しみ方ができますね。
ギャニオン:そうなんです。メープルは樹液100%の自然由来ですから、とても身体に優しいです。食べるだけでなく、肌にも塗れます。常連さんには、顔に塗るクリームに混ぜて使っていると教えてくれた方もいるんです(笑)。
専門家ではないので、美容効果について明言することはできませんが、カナダではメープルを使用した石鹸やコスメも売られているので、害はないと思います。
花塚:なんでも使えますね(笑)
柏尾:そうですね(笑)。それから、特に今の時期は冷え性の方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ホットメープルにショウガを入れるととても身体があたたまります。
ギャニオン:お店ではメープルを使ったさまざまな商品を販売してますが、特にご高齢の女性にはメープルキャンディーが人気です。そのまま食べれますから、一番気軽にメープルを楽しめます。
メープルはスイーツにかけるだけではなく使い方はたくさんあるので、少し甘いものが食べたいなと思う方はぜひ試してみてくださいね。
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