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睡眠が変われば体調も変わる 寝具の選び方—敷き布団編—

もう途中で目を覚まさない!

特集 暮らしの新陳代謝を高めよう――住まいを整える。心と体を整える。 2020.12.30

取材・文:花塚水結

毎日使っている寝具は劣化の具合がわかりにくいために、変えるきっかけがなかなかないのが現状です。しかし、健康寿命を延ばすうえで「睡眠」はとても大事なこと。そこで、良質な睡眠にするための寝具の選び方を、創業130年を迎えた眠りのプロショップSawada代表取締役の沢田昌宏さんに伺いました。

第2段となる今回は、敷き布団の選び方(掛け布団の選び方はこちら)。敷き布団は寝具のなかでもっとも大事だと話す沢田さんですが、その理由とは何なのでしょうか。

 

保温のために敷き布団は2枚敷く

寝具のなかでは、敷き布団が一番大事だと考えています。畳やフローリングに布団を敷いて寝ていらっしゃる方も多いと思いますが、熱は下から逃げていくので長年使用して薄くなってしまった布団では十分に保温ができず、中途覚醒の原因になってしまいます。保温力を確保するには、最低2枚の敷き布団を使用することをおすすめします

マットレスに薄い敷きパッドシーツだけで寝ている方もいらっしゃると思いますが、ポリエステルわたを使った敷パッドシーツだけでは、保温や吸汗が十分ではありません。快適な睡眠環境は「温度33℃・湿度50%」といわれます。保温だけでなく、湿度を調節することが重要なのです。特に背中は汗をかきやすいので、素早く汗を吸って発散させる天然素材を選びましょう
また、ベッドに限らずマットレスの上には保温と吸汗に優れた羊毛わた100%を使った敷き布団を使用することをおすすめします

マットレスの上に敷き布団を敷いて保温効果を高めましょう

もう1つ、敷き布団を選ぶポイントとして大事なのが、自然な姿勢で、身体に無理な力がかからずに支えてくれるかということです。健康の基本は背骨にあると考えています。ですから、正しい姿勢で寝られる敷き布団選びが大切なのです。

理想の寝姿勢は、立っているときの自然な姿勢がキープされている状態。仰向け寝の場合は、敷き布団が柔らかすぎると腰が沈み、腰痛の原因になりやすいので避けたいところです
一方、横向き寝の場合は、背骨が真っ直ぐな状態でキープされていることが大切です。女性は横向きに寝る人が多い傾向がありますが、硬い布団を使っていると肩に圧力がかかり、肩周りの筋肉が緊張状態が続くので、肩こりの原因になったりします。適度な柔らかさがあり、肩や腰を支えてくれる寝具を選びましょう

 

電気毛布を使うなら低い温度設定で

また、寒いからといって電気毛布を使う方もいらっしゃると思いますが、あまりおすすめはしていません。なぜかというと、体の温度を下げないからです
温かいほうが入眠しやすいのですが、人は睡眠時に体温を下げて身体を休ませます。ところが、電気毛布を使うと体温が下がらないため、身体が休まりません。そうすると、身体は無理に体温を下げようとするので、余計に汗をかいて体の水分が取られてしまいます。電気毛布を使うと喉が乾くという人もいますが、これが理由です。

どうしても電気毛布を使いたい人は、寝る前までに温めておき、寝るときに切るか低い温度に設定するといいでしょう。ただし、それ以前に床と体の間にしっかり敷き布団を敷いて保温性を高めることが大事です。

みなさんの使っている寝具はいかがでしょうか? 見直してみたいなと思われた方は、ぜひコメントで教えてください。

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企業情報
株式会社沢田商店
〒526-0052
滋賀県長浜市神前町9-11
電話:0749-62-0057
FAX:0749-62-0094
メール:info3@sleep-natura.jp
ホームページ: https://sleep-natura.jp/
WEB快眠カウンセリング: https://sleep-natura.jp/sleep-counseling

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沢田昌宏

株式会社沢田商店 代表取締役。1958年生まれ、大学卒業後取引先の寝具製造メーカーで3年の修行後、1983年長浜へ帰郷。株式会社沢田商店へ入社後、2001年代表取締役に就任し、現在にいたる。睡眠の専門家であると同時に、寝具選びは素材の農場まで出かけて選び、羽毛布団は自らが手づくりするなどこだわりを見せると同時に、長く使う・再利用する・土に還るなど、環境に配慮したサスティナブルな寝具選びを推進している。
沢田昌宏

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