読書に夢中になれるおすすめの場所7選|コロナ禍でも快適に本を読む
本を持って出かけよう
文:出口夢々
家や公園、カフェなど、どこでも楽しめるのが読書の魅力。ですが、せっかくの “芸術の秋” なので、本にゆかりのある場所で読書を楽しんでみませんか? コロナ禍でも快適に本を読める場所を7つ紹介します。
▼東京・駒場「BUNDAN COFFEE & BEER」
東京都目黒区、駒場東大前駅にほど近い駒場公園内にある日本近代文学館の一角にある「BUNDAN COFFEE & BEER」。約2万冊の古書がぎっしりと収められた空間で、文学作品に由来するフードを楽しめるカフェです。
「文学作品に由来するフード?」と思わず首を傾げた方もいるかもしれません。たとえばメニューの1つである「檸檬パフェ」。こちらは言うまでもない、梶井基次郎の小説『檸檬』を由来とするパフェです。レモンピールにレモンジュレ、レモンオイルなど、レモンづくしの爽やかな甘味を楽しめます。朝食メニューにある「シャーロック・ホームズのビールのスープとサーモンパイ」。こちらは、アーサー・コナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ・シリーズ」に登場するハドスン夫人の特製料理で、夫人のアパートで暮らしていた名探偵のシャーロック・ホームズと医師のジョン・H・ワトスンがやみつきになった一品です。小説に出てくる食べ物を味わえるだなんて、本好きさんにはたまりませんよね。
さらに、BUNDAN COFFEE & BEERのテーブルや椅子などのインテリアには古家具が用いられ、太宰治も敬愛した作家・豊島与志雄が愛用していたテーブルと椅子で読書時間にどっぷりと浸ることもできます。
ちなみに、日本近代文学館は図書や雑誌を中心に、数々の名作の原稿も含め、120万点の資料を収蔵している施設なので、こちらも併せて足を運んでみてください。
店舗情報
「BUNDAN COFFEE & BEER」
住所:東京都目黒区駒場4-3-55(日本近代文学館内)
開館時間:9:30〜16:20
休館日:日・月曜日、第4木曜日
最寄駅:東大駒場前駅
HP:http://bundan.net/
▼埼玉・所沢「角川武蔵野ミュージアム」
埼玉県所沢市にそびえ立つ “岩” のような建物。世界的建築家の隈研吾がデザインしたこちらの “岩” は、図書館と美術館と博物館が融合した文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」なんです。
館内に入ってすぐのところには現代アートが飾られていたり、1階の「マンガ・ラノベ図書館」にはKADOKAWAが発刊する約2.5万冊におよぶほぼすべてのマンガやライトノベルが所蔵されている角川武蔵野ミュージアムですが、本日紹介したいのは4階にあるエディットタウン。ここには約2.5万冊もの本が並ぶ巨大な図書館「ブックストリート」があります。ここの本棚も、隈研吾がデザインを監修しているんです! ちなみに、テーマは “人の脳” なんだとか。
ブックストリートを抜けると、今度は8mもの高さの巨大棚にぎっしりと本が詰め込まれた「本棚劇場」が現れます。ここでは30分に一度、プロジェクションマッピングが上映され、本棚がアートに変わるのです。
……と、とにかくコンテンツが盛りだくさんな角川武蔵野ミュージアム。膨大な数の本に囲まれたら、知識の海に溺れるような感覚になりそう。本好きさんなら、ぜひ一度は訪れてみたい場所です。
施設情報
「角川武蔵野ミュージアム」
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
開館時間:日〜木曜日10:00〜18:00、金・土曜日10:00〜20:00(入館は30分前まで)
休館日:毎月第1・第3・第5火曜日(祝日の場合は開館・翌日閉館)
最寄駅:東所沢駅
HP:https://kadcul.com/
▼東京・新宿「BOOK AND BED TOKYO」
東京都・新宿駅から徒歩8分、歌舞伎町の一角に建つビルの8階にある「BOOK AND BED TOKYO」。ここはなんと、“泊まれる本屋” なんです!
本屋さんに泊まれるだなんて、本好きにはたまらないですよね。たくさん並んでいる本のなかから、そのときの気分に合ったものを選び、本を読む。そして気がついたら寝落ちしていた——そんな贅沢な体験がBOOK AND BEDならできるんです!
ちなみに、“泊まれる本屋” は泊まらなくても利用できます。「DAY USE」というプランを利用すれば、13時から18時の5時間に限り、1時間700円でラウンジスペースでの読書を楽しめます。
BOOK AND BEDの蔵書数は、およそ2400冊。ファッション誌からカルチャー誌、文庫本、マンガ、洋書と幅広いジャンルが揃っているので、普段は手に取らない本と出合う機会になるかも。ただ、本の購入はできないので、お気に入りの本を見つけた場合は、タイトルや著者名をメモしておいて、後日書店で購入しましょう。
店舗情報
「BOOK AND BED TOKYO」
住所:東京都新宿区歌舞伎町1−27−5 歌舞伎町APMビル8階
営業時間:13:00〜21:00
休館日:なし
最寄駅:新宿駅
HP:https://bookandbedtokyo.com/ja/shinjuku/
▼東京・六本木「文喫」
東京都・六本木駅から徒歩1分の立地にある「文喫(ブンキツ)」。本好きな人たちのあいだで有名な、青山ブックセンター六本木店の跡地につくられた、読書と喫茶を楽しめるブックカフェです。
文喫のテーマは「本と出会うための本屋」。どんな本屋さんでも、そこに行けば本に出合えることは間違いないのですが、ここ文喫は “最高の出会い” ができる本屋さんなのです。
その秘訣は、文喫最大の特徴でもある「入場料制」にあります。1階の総合受付で1650円(平日価格。土日祝は1980円)の入場料を支払うと本屋に入れるシステムなのです。
総合受付を抜け2階に上がると、人文科学や自然科学からデザイン・アートにいたるまで約3万冊の書籍が並んでいます。これらの本は自由に読めるので、店内にある閲覧席でゆっくり読書を楽しめます。さらに、こだわりのコーヒーや煎茶が飲み放題。制限時間はなく1日中利用できるので、時間を忘れて本の世界に没頭できるのです。喫茶室には、有料ですが、ハヤシライスやスパゲティ(別途料金がかかります)、さらにはアルコール(緊急事態宣言中は提供していません)まで用意されているので、お腹が空いたときでも安心です。
“最高の出会い” はこれで終わりではありません! 文喫にはなんと「選書サービス(3300円)」があるのです。好きなジャンルやテーマ、読みたいシーンなどをスタッフに伝えると、自分に合った本を数冊選んでくれるのだとか。普段の自分では選ばない本と出会える機会になるので、一度は試してみたいサービスです。
店舗情報
「文喫」
住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F
営業時間: 9:00~21:00(L.O.20:30)
休館日:不定休
最寄駅:六本木駅
HP:https://bunkitsu.jp/
▼東京・神保町「神保町ブックセンター」
本のまち・神保町にある「神保町ブックセンター」。旧・岩波ブックセンター跡地にある書店・喫茶店・コワーキングスペースの複合施設です。1階は書店・喫茶店・ワークラウンジ・オフィスが並び、2階に会議室、3階はオフィスとデスクスペースが配置されています。
神保町ブックセンター最大の特徴は、書店に並ぶ本はすべて岩波書店の刊行物であること。単行本から文庫、新書、児童書、自然科学書、さらには辞典まで、約9000冊の本が並んでいます。
「岩波書店の本はむずかしそうな内容ばかりだから自分には合わないかも」と思った方、安心してください! 比較的手に取りやすい内容の本は店舗入り口付近に、専門的な内容の本は店内の奥のほうに置かれているんです。ですので、入り口付近の本からじっくり眺めていけば、読みたい本が見つかるはず。もちろん、喫茶店で手持ちの本を読むこともできますよ!
喫茶店では、オリジナルブレンドのコーヒーや、トーストセット、サンドイッチ、プリンアラモードなど喫茶店の定番フードを楽しめます。
店舗情報
「神保町ブックセンター」
住所:東京都千代田区神田神保町2-3-1 岩波書店アネックス1F・2F・3F
営業時間:平日9:00〜20:00、土日祝10:00〜19:00
休日:不定休
最寄駅:神保町駅
HP:https://www.jimbocho-book.jp/
▼東京・池袋「本と珈琲 梟書茶房」
東京都・池袋駅直結の商業ビルEsola – エソラ池袋の4階にある「本と珈琲 梟書茶房」。ドトールコーヒーの常務取締役・菅野眞博さんと、かもめブックスの代表・柳下恭平さんによってつくられたブックカフェです。
梟書茶房といえば「ふくろう文庫」。タイトルや著者名、出版社名など、一般に本を選ぶときに参考にする情報がすべて隠された状態で販売されています。私たちがふくろう文庫を買うときの唯一の判断材料になるのは、柳下さんらかもめブックスのスタッフによって書かれた推薦文だけ。推薦文をじっくり読んで、本の内容を推測し、購入する——本を買うという普遍的な行為が一気に “イベント” に変わるのです。
「本のジャンルもテーマもわからないふくろう文庫を買うのはハードルが高い……」と思った方におすすめなのは、「珈琲と本のセット」。こちらは柳下さんが「エピローグ」や「偏愛」、「楽園」など、テーマになっている言葉から想起させる本を選び、ドトールコーヒーの菅野さんがその本のイメージに合わせてブレンドしたコーヒーのセットです。「エピローグ」がテーマのときには、『大長編ドラえもん6 のび太の宇宙小戦争』が選ばれたのだとか。テーマがわかっている分、ふくろう文庫よりはハードルが下がると思うので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
ZIELでは、2020年7・8月特集「自分をあたらしくする」にて、梟書茶房に取材しました。かもめブックスの代表・柳下恭平さんに梟書茶房の楽しみ方を伺っているので、ぜひ併せて読んでみてください! 編集部・出口は、梟書茶房の “森の部屋” でフルーツティーを飲みながら本を読むのが好きです。
▼柳下さんへのインタビュー記事はこちら
「本と珈琲 梟書茶房|新しい思考と出合う――。」
店舗情報
「本と珈琲 梟書茶房」
住所:東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola(エソラ)池袋4F
営業時間:10:30~22:00(L.O.21:30)
休日:不定休
最寄駅:池袋駅
HP:https://www.doutor.co.jp/fukuro/
▼東京・日本橋浜町「Hama House」
江戸時代には大名家などの下屋敷や蔵屋敷が並ぶ武家屋敷街だった日本橋浜町にある複合ビル「Hama House」。キッチンスタジオやオフィスが配置されているビルの1階には、ブックカフェがあります。
片面はガラス張り、もう片面の壁はすべて本棚というフォトジェニックなデザインが特徴なHama House。美術や料理、サイエンスなど置いてある書籍の種類は多岐に渡り、コミュニケーションのきっかけになったりクリエイティブを刺激する内容のものを並べているのだとか。店内の本はカフェで読むことも、購入することも可能です。
施設情報
「Hama House」
住所:東京都中央区日本橋浜町3-10-6
営業時間:平日11:30〜21:00(L.O.21:00)、土日祝11:00〜18:00(L.O.17:00)
休日:不定休
最寄駅:水天宮前駅、浜町駅
HP:https://hamacho.jp/hamahouse/
余談ですが、「文喫」はZIELが生まれた場所。編集部・花塚と出口がここで話し合いをして、ZIELのコンセプトを考えたのでした。文喫でたくさんの本を参考にしながら、時には喫茶室でワッフルを食べて息抜きをしなが考え、生まれたZIEL。みなさんも、文喫に行かれた際には、ぜひワッフルを食べながらZIELのことを思い出してください!
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