葬儀費用っていくら必要?
25歳編集部員・みゆももが見積もりを出してみた!
文:出口夢々
日本消費者協会が2017年に発表した「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると、お葬式にかかる費用は平均で195万7000円。そのうち、葬儀社に支払う料金は平均で148万円で、お布施が47万円となっています。
でも、この金額が高いのか安いのか、よくわかりませんよね? 大切な人が亡くなった直後にお葬式の手配をするとなると、焦ってしまい妥当な金額でお葬式を依頼できないもの。そこで、編集部の出口と花塚が、価格ドットコムの「葬儀・葬式比較」を使い、自分たちのあげたいお葬式にはいくらかかるのかを調べてみました!
家族葬を希望する出口の見積もり
出口:まずはお葬式の形式を決めるところからだね。
花塚:いろんなお葬式の形式があるんだね。参列者を呼んでお通夜と告別式を行う一般葬や、家族や近しい友人だけで見送る家族葬、お通夜をやらずに告別式だけ行う一日葬、はたまた火葬だけする直葬まであるけど、希望はある?
出口:うーん、あんまり盛大なお葬式をあげてもらうのは私の性格に合っていない気がするから、身近な人たちだけに送り出してもらう家族葬がいいな。親族と、本当に近しい関係にある友人数名が来てくれて、なごやかに送り出してくれたらうれしいかも。だから、参列者は多くても15人くらいかな。
あと、宗教も重要だよね。私は無宗教だから、僧侶を呼んで読経をお願いしたりはしないでいいかな、と思っている。
花塚:なるほど。ほかに希望はある? 料理とかも決めないといけないよね。
出口:料理……。本当に家族だけでお葬式をあげるなら、式が終わった後に帰って家で食べてもらってもいいと思うんだけど、友人も呼ぶから通夜振る舞いと精進落としは出したいな。あと、お通夜の後は私を一人にしないでほしいから、家族は式場に泊まってほしいかも。
花塚:一人にしないでほしいって、出口らしい意見だね(笑)。遺族が式場に泊まるのはプラスで料金が発生しそう。ここだとそれはオプションで選べないから、通夜振る舞いと精進落としをオプションでつけるね。あっ、「よりそうのお葬式」だと、遺影写真はオプション扱いなんだ。じゃあこれもつけてっと……。
◆千葉県千葉市で葬儀を行う場合
お葬式形式:家族葬
参列人数:15人
宗教:無宗教
出口:なるほど、高くても64万1000円か。やっぱり家族葬にすると、平均費用の195万7000円よりグッと安くなるね。
花塚:最期なんだからケチりたくはないけど、あんまり費用がかかるのも嫌だから、このくらいの金額で抑えられるとうれしいかも。まあ、そのころは自分の意識なんてないから、費用が高かろうが低かろうが、わからないんだけどね(笑)
出口:あっ、でもこの見積もりだと葬儀会場の使用料が5万円を越えた分は、追加で支払うことになるのか。追加分の金額は斎場によりけりだと思うけど、64万1000円で収まることはなさそうだね。
花塚:うん。なんだかんだでさらにオプションをつけることになって、70万円くらいにはなりそう。
出口:それでも平均費用より125万円くらいは安いのか。このくらいの金額が妥当そうだね。
一般葬を希望する花塚の見積もり
花塚:私は一般葬がいいんだよね。
出口:なんで?
花塚:最期なんだし、盛大に送りだしてほしいな、と思っている。親族や友人、お世話になった人を呼ぶから、参列人数は50人くらい。通夜ぶるまいや精進落としの料理はオードブルにして、私との最後の晩餐をワイワイ楽しんでほしいな。ごはんにローストビーフは絶対ついててほしい(笑)。
出口:ローストビーフ(笑)。ピンポイントで指定するんだね。あれ、花塚は菩提寺があるんだっけ?
花塚:うん。おじいちゃんのお墓があるお寺に読経とか戒名とかをお願いするかな。だから、オプションで僧侶をつけることはないけど、別でお布施がかかるね。
出口:じゃあ、とりあえずのオプションは私と同様、料理だけで見積もりを出すね。
◆神奈川県横浜市で葬儀を行う場合
お葬式形式:一般葬
参列人数:50人
宗教:仏教(菩提寺あり)
花塚:葬儀会社によってかなり金額が違うね。30万円くらいの差がある。
出口:パックに含まれているものを見極めて、比較検討する必要がありそう。
花塚:一番高い金額が88万4900円か。これにお布施の平均費用47万円を足すと、135万4900円。わっ! 家族葬に比べて65万円近く高い。
出口:呼ぶ人数が35人増えると、会場の規模も用意する料理の数も変わってくるから、こんなに金額の差が出るんだね。
花塚:この見積もりも、葬儀会場の使用料が2万5000円~10万円までは含まれているから、この金額を出た分は追加で支払うことになるんだね。
出口:火葬も、公営斎場を利用できるのか、民営斎場を利用できるのかによって金額が変わってきそうだね。この見積もりだと公営斎場での火葬額1万5000円までは負担してくれるみたいだから、公営斎場が混んでいて民営斎場で火葬することになったら、プラスでの支払いが発生するみたい。
花塚:じゃあ、私は葬儀費用として150万円は見ておいたほうがいいかもね。
出口:自分の葬儀費用の見積もりを出すって、自分の死にまっすぐ向き合う行為だよね。
花塚:うん。「自分が最期、まわりの人たちにどう見送られたいか」を考えないと、お葬式の形式も参列人数も、料理の内容も決められないもんね。
出口:「自分の死後のことは家族に任せれば、適当にほどよい内容で葬儀を行ってくれるだろう」とか「死後にお金をかけてほしくない」と思っていたけど、お葬式が「大切な人たちと会える最後の場所」だと思うと、自分の意識はないとしても、ちゃんとお別れができる空間にしたいなと思い直した。
花塚:葬儀費用の見積もりを出して、備えるべき金額を知れたけど、それ以上に、自分と大切な人たちとの関係性を見直せた気がする。
出口:自分の最期の希望はきちんと考えて、遺される人に伝えておこうと強く思ったよ。
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